電波時計のバックライトをタッチスイッチ化する
(2006-11-16)
■ きっかけ
- この写真のような電波時計のデザインが気に入って、ネットオークションで安く買えた。
- メーカサイトでもそれなりの可読性があるように思えた。
(クリックするメーカのサイトにジャンプ)
- また、このような甘い観測が生まれた理由として、下のような腕時計では見やすかったせいもある。
(実は腕時計だと無意識的に見やすい角度に向けているのだ)
- ところが、実際に手にしてみると後述の説明のように、実体はとてもじゃないが読めない時計なのである。それならば、AC アダプタとかを利用して、いつでもバックライトが点灯するように考えてみたものの、この液晶パネルの構造から「追加LED」の加工は不可能だった。
- バックライトをオンしておけば、こんな感じで時刻判別が可能なので、まあ、しょうがないかなぁ。(と諦めてみた)
- ここで皆さんは、「ちゃんとバックライト点灯用のスイッチもあるんだから、いいんじゃないの?」と思うかも知れない。しかし、手を伸ばして上面全部(全体)を押すとして、この点灯用スイッチは4個もあるため、とても操作が重いのである。一つを押す動作だとしても、なんと 500g も必要なのだ。
- そこで、仕方無く「タッチスイッチ化して、かつ電力消費を無視できるように改造する」はめに至るのだった。
■ 購入した電波時計の欠点とは
- 単に明るいところに置いてしまうと、時刻が読めなくなる、デザイン負けしたひどい時計である。(良く上司が発売許可を出したと思ってしまう)
- 明るい照明が正面方向から当たれば、それなりに読める。
- 暗い場所でバックライトが点灯した時の可読性はこんな感じ。
- タッチスイッチ化を検討している時点で、このネジは上側カバーを貫通しているので、タッチスイッチまでの配線に使えるとみた。
■ こんな感じで
- タッチスイッチの回路をカットアンドトライで探っているところ。
ここで気を付けることは、オシロスコープなので観測して動作を確認していると、プローブのアース側が大地(アース)に対して、ローインピーダンスになっていることである。人間に誘起される種々のノイズ(例えば商用電源からの誘導)は、約 150PF を通じてもたらされるらしい。
- スイッチ付近の詳細写真。バックライトを点滅させるためのスイッチは合計で4個ある。(構造的には贅沢な作りに感じる)
これらのスイッチは上側カバーの金属ネジ直下にあって、いずれかのスイッチがオンすればバックライトが点灯する。
- 回路としては CMOS IC を一つ利用する。
- 本体のバックライトスイッチはオンで電源電圧(3V)になるようだ。
- 参考回路図。図面での入力部は各自でチューニングするとよい。
高超抵抗値で VCC に落す(吊る)のがよいだろう。
CMOS 入力端子は超ハイインピーダンスなので、オープンであれば、10cm 以上離れたところの、(普通の人体の)静電気で動作することになる。
初段のインバータは設計の段階ではフィードバックを掛けて、高ゲインのアナログアンプを考えていたが、それを負帰還をオープンにして、"勝手に誤動作"モードにしてある。
- 回路エディター(BSch3V)の回路図だったらこれをダウンロード。(マウスの右クリックメニューでデータ保存)
■ 内部への組み込み
- 部品は基板を使わずにモジュール化しておく。
- 部品スペースは中央付近に。両側のスペースには蓋側のスイッチが使う。
- 内部の部品配置の配線の様子。追加モジュールの電源ラインは電池ケース部の電極金具に半田付けした。
- タッチスイッチ入力ラインを上側カバーまでネジ経由で持って来る。(ここに金属パネルとか、アルミテープなどを貼ればグーだろう)
この写真の状態で非接触スイッチとしてのアンテナとして活用するか、線は出さずにネジだけをタッチポイントにするのもよいと思う。
■ 感想・補足
- 現状としては、時として非接触スイッチとして機能もし、たまにはタッチしないと動作しない感じかな。こうした状態では、CRT に上に置いてあるば、CRT の電源を入れた瞬間にはバックライトがオンしている。
- CMOS IC の出力はスイッチに直結させているので、動作時点でスイッチもオンさせると電源(VCC)とショートするのかもしれない。(同じ電圧なのだから OK とみなそうね)
- この回路の消費電流は無視してよいだろう。
- 回路図には無いが、IC の不要な入力端子は GND しておくとよい。
- 今回は、タッチスイッチと言うより、静電気も関知しての非接触スイッチの感じがある。もし、タッチスイッチ用の金属片が必要だったら、フロピーディスクのシャッターの金属などは、極めて薄いのでタッチスイッチ板に良いのでは?